用水路沿いのこびとの部屋
童話のこびとたちが帰ってきそうな部屋で大の大人たちが食事をしている。わたしはカボチャのごろつくホワイトソースがこんもり盛られたパンに夢中でかぶりついている最中で、カレー待ちのおじいちゃんおばあちゃんは窓辺に置かれたメダカ鉢に声をかけている。ほんの小さな空間なのに、来訪者それぞれの空気は混じり合うことなく据わっている。
ここまで完成された喫茶店が、わたしの住む街にはある。
大学生活で一番力を入れたことはサークルでもアルバイトでもない、平日にほっつき歩ける特権を最大限活用して喫